同じだからといって 仲間だというわけではない。

<子馬>

 山の麓に 馬の群れが
 草を食べて 住んでいた

 山の上には 化物がいると
 大人は 子供に言い聞かせた
 だから行ってはいけないと

 けれども 子供は 好奇心の塊
 一人が 言いつけ破り
 山の上へと走り出した

 山の中程 子供は 洞穴を見つけた
 わくわくしながら覗き込んだ
 最後に見たのは赤い世界

 やがて日は暮れ 朝が来た

 待てども 待てども 帰らぬ子供を
 探して母馬 山を登る
 制止を振り切り 山を登る
 
 やがて母馬 洞窟を見つけた
 その前に転がる 子供の首を
 悲鳴を上げて 近寄れば
 ごろごろごろり
 首と胴体 泣き別れ

 動くもののない 洞窟の前
 ひたひた歩く 足音が響く
 現れたのは 一匹の馬
 光を映さぬ 盲目の子馬
 顎は空を仰ぎ 頭は地に向けた 異形の馬

 盲(めし)いた子馬は喉で笑う
 己を捨てた者達の亡骸を
 狼から奪った爪を肉に立て 抉り 咀嚼して
 ごくりと 喉を潤す 同胞の血

「ぼくはいきるんだ」

 そして 今日も 子馬は山で
 迷い込む物の 肉を喰らう

           あとがき。
             中原中也ティストを目指して見事に失敗。
             尊敬してます、中原中也。
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