空の軌跡に手を伸ばす。

<飛行機雲>

 愛しい愛しいあの人は、

 お国の為と手を振って

 お国の為と手を振られ

 真っ青な夏の空に

 真っ白い軌跡を引いて

 飛んで行きました。

 それは、忘れもしない夏の日で

 それからしばらくして

 戦争は終わったけど

 あの人は帰ってきませんでした。

 片道だけの燃料と

 大義名分を背負って

 あの人は


 私が見た白の軌跡は

 あの人の、命の軌跡でした。

 南の海に眠るあの人へ

 続いているような気がして

 違うとは分かっているけれども

 私は

 今日も

 それに手を伸ばすのです。

           あとがき。
            飛行機雲って原理は雲と一緒なんですね。
            ここで何を言ったとしても、戯言でしかないけれど。
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